電気自動車の購入に踏み切れない3つの理由

リビアン R1S。

リビアン R1S。

Tim Levin/Insider

  • 十数台の新型電気自動車を試乗してきた私は、いつか電気自動車を手に入れたいと考えている。
  • 電気自動車は速くて、静かで、環境にもいい。
  • だが、まだ買おうとは思わない。新車の電気自動車は高価すぎるし、中古の電気自動車も市場にあまり出回っていない。

電気自動車(EV)に対する関心はかつてないほど高まっている。これまで以上に多くの車種から選択できるようになってきており、化石燃料を避けてテスラ(Tesla)のような車を買いたいと思うアメリカ人が増えている。

主流のSUVから、ゴツいピックアップトラック、さらにドルで6桁(1000万円以上)の高級車まで、現在市販されている十数台のEVのテスト走行を経験して、EVは私のお気に入りになっている。だが私はEVを買うつもりはない。少なくとも、今はまだ。

今のところ、EVは高価過ぎて入手困難だ。それに、充電ステーションもまだ十分に普及していないし、便利でもない。

テクノロジーは素晴らしい

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巨大な「フランク」を装備するフォード F-150 ライトニング。

Tim Levin/Insider

私はいつか電気自動車を所有することになるだろうと確信している。それは幸いなことに、政府が電気自動車の所有を義務付けているからということではない。EVは普通の自動車と比較すると無視できないほど多くの利点があるからだ。

EVは静かでスムーズだ。大衆車のシボレー(Chevrolet)から高級車のポルシェ(Porsche)まで、ほとんどすべての電気自動車は、スロットルを踏み込むと瞬時に加速する。つまり、EVは退屈なドライブにちょっとしたスパイスを与え、高速道路での迅速な合流や追い越しを得意としているのだ。

従来の動力伝達装置のような大きい部品がEVには必要がないため、メーカーはこれまで不可能だった室内空間や収納を作り出すことができる。例えばフルフラットのフロアフロントトランク、リビアン(Rivian)のリアシートの後ろにある横長の収納スペース「ギアトンネル(Gear Tunnel)」などがある。

このようなすべての利点や環境に配慮したいという気持ちがあるため、将来、私はEVを購入することになるだろう。

新車のEVは高すぎる

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テスラ モデルYの価格は7万ドル(約900万円)近くする。

Tim Levin/Insider

だが、現在の状況では、私のような価格重視の買い物客にとって新車のEVを買うのは不可能だ。

フォード・マスタング マッハE(Ford Mustang Mach-E)は約5万ドル(約643万円)からだし、テスラも4万7000ドル(約604万円)以下では買えない。ただ確かに2万8000ドル(約360万円)の新しいシボレー・ボルトEUV(Chevrolet Bolt EUV)のように、より安いモデルも登場してはいる。だが、EVは高級車に偏っているのが事実であり、2022年11月の平均的な電気自動車の販売価格は約6万5000ドル(約835万円)だ。

また航続距離が300マイル(約482km)未満のEVで妥協したくないのであれば、少なくとも4万5000ドル(約579万円、ディーラーの値上げ前)を支払う覚悟が必要だ。

まだ中古車が少ない

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日産リーフSLプラスと旧型のリーフ。

Tim Levin/Insider

車にお金をかけたくない人やかけられない人は中古車を購入することになる。私なら1万ドル(約128万円)から1万5000ドル(約193万円)の物があれば購入するだろう。しかし、電気自動車の市場はまだ始まったばかりであり、そもそもEVは非常に高価であるため、私の予算内では魅力的な中古車の選択肢はそれほど多くはないのだ。

自動車のマーケットプレイス、オートトレーダー(Autotrader)で手頃な価格の中古EVを検索してみると、古い日産リーフや限定生産のEVが多く出てくるが、航続距離はそれぞれ93マイル(約149km)、107マイル(約172km)、124マイル(約199km)であり、私の運転習慣には合っていない。長時間の運転で何度も充電するのはとても面倒なことになってしまう。

現状では2万4000ドル未満では、アメリカ環境保護庁(EPA)の基準で航続距離250マイル(約402km)以上の中古EVを見つけることはできない。 しかし、近年販売された新型テスラ、フォード、キア(Kia)、ヒョンデ(Hyundai)のEVがすべて中古市場に出回るようになってくれば、それも変わってくるはずだ。

私にとっての最大の難点は充電が不便なこと

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充電中のポールスター2。

Tim Levin/Insider

充電インフラの未整備は、電気自動車を購入する人が増えない主な理由の一つとして挙げられており、私だけが特別なことを言っているのではないと感じている。

EVを所有する上で、ガレージや私道で充電できることは大変革をもたらす。プラグを差し込んでから寝れば、朝には充電が完了しているのだから。だが私はニューヨークのアパートに住んでいるため、ガレージも私道もない。近所には市内でも数少ない街頭の充電ステーションがいくつかあるが、大体はガソリン車に駐車されている。

私が最も車を運転するニューヨーク市外での充電は、慣れればそれほど面倒ではない(あなたがテスラを所有している場合は特に)。それでも私は、動作不能のプラグ充電ステーションの少なさに悩まされたことがある。

現実的には、充電のわずらわしさは乗り越えられるかもしれないが、何千ドル(何十万円)も予算を増やす気には到底なれないのだ。

予算が少なく、家での充電方法が限られている人々にとって、EVが十分に安価になる日が来ることを楽しみにしている。それまでは、ハイブリッド車を探そうと思う。

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